【マシロ文学】【お江戸吸血物語】姫様は鬼と恋仲になる。

By 山本麻白

Written by 里見義堯@yoshitaka

👁️ 7 views 🔖 0 bookmarks 📅 2026-06-13 22:13 ✏️ Updated 2026-07-15

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江戸時代なめんじゃねーぞクソガキ 出典:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17449001 概要欄 【あらすじ】 時は江戸。 とある武家屋敷に一人の忍びが姫様の部屋へとそっと忍びこんだ。 咄嗟に小刀で忍びを返り討ちしようとする姫様だったが?まさかその忍びは… ☆吸血音がYouTube等ではR指定になり広告等がつかない場合がありますので、ご使用の際にはお気をつけください。 台本の書き方が通常と異なるためご使用の際はお気をつけ下さい。 《ご挨拶》 初めまして拙い本を手に取って頂きありがとうございます。 《朗読して下さる演者様へ》 話の本筋が変わらないアレンジや言い回しの変更は演者様にお任せします。 文字と読み言葉では違いが出ますので、その辺に関しましても演者様のやり易い方向でお願いいたします。 作中内のSEもあれば付けていただいて、無ければ飛ばして大丈夫です(話の流れで必要な部分のみ表現して頂ければOK) 読んで頂けたら嬉しいです。 動画(YouTube等)として残る際は葛葉 茉白の名前の明記をお願いします。 宜しくお願いいたします。 タグ オリジナル,恋愛,フリー台本,女性向け,吸血鬼,ヴァンパイア,時代劇,忍び,姫,シチュエーションボイス,入れ替わり,切ない

主人公=吸血鬼、とある藩の忍び。 姫=吸血鬼、鬼の里(忍びの里)統領の娘(鬼のお姫様)藩主の姫が病に倒れその影武者として江戸屋敷のいる。 お殿様の用向きで江戸屋敷来たが主人公がご家老からの返事を待っているほんの一刻、姫に会いに来た逢瀬の一コマです ~本編~ 〇武家屋敷・姫の部屋    天井の板が外れる。    天井から人が部屋の中に飛び降りる。    姫が一人で初見台で書を読んでいる。    姫の背後から近づく人影。 「静かに…」    姫の顔に自分の顔を近づける。    驚いて声を上げそうになる姫の口を手で塞ぐ。 「声を出すな。大人しくしろ。このまま首に噛みつかれて血を吸われたいか?嫌なら早くその手に持った得物(えもの)(小刀)をしまえ」    手に持った小刀を戻す。    男の顔を確かめて驚く。  「気配だけは察したようだが詰めが甘いな、お前自分の男の匂いを忘れたのか?」 姫の口から手を離して顔を正面に向ける。 驚きと安堵の顔を見せる姫。 「急に国元の殿様がご家老に届け物をして欲しいとおっしゃってな。それで江戸(もしくはここ)まで出向いて来たんだ」    姫を後ろから抱きしめて、 「大丈夫だ、届け物はもう渡してきた。今はその返事待ち。仕事もせずにお前に会いに来たわけじゃない。うぬぼれるなよ」    再会を嬉しそうに頬を寄せる二人。 「にしても、相変わらずここは静かだな。まぁお屋敷の奥向きはどこもこんなもんか」    周りを見渡してから、 「だが何があるかわからない。いくら腕に自信のある家臣が後見としてついていても、現にこうして奥まで侵入出来た。万が一にでもこの事が表沙汰(おもてざた)にでもなってみろ、御上(おかみ)を謀(たばか)ったとしてお家取り潰しもあり得る。この先も気を抜かずに十分に気をつけろよ。」    うなずく姫。 「お前に何かあっても俺は守ってやれない。自分の身は自分で守るんだ。さっきの様子からそんな心配は無用だと思うが、あやうく刺されそうだった」    姫から体を離して姫全体を見つめる 「(穏やかな声に変って)にしてもお前、こんなに綺麗になって…よくここまで化けられるもんだ。馬子にも衣装っていうのはこういうのを言うのか(笑)、まっ俺が選んだ女なんだから綺麗で当然か」    恥ずかしそうに下を向く姫。    姫の匂いを嗅ぐ。 「それにすんげえいい匂いがする。なんだろうな、この前来た時とは少し匂いが違うけど」    着物にお香の香りをつけるのだと姫に教えられる。 「へえ、香(こう)の香りをわざわざ着物に移すのか、武家(ぶけ)っていうのは雅(みやび)という粋(いき)なことをするんだ。それでこの甘くていい匂いか。いつもと違って妙な気分になってくる。少しいいか?」    神妙な面持ちで首を横に振り逃げようとする姫。 「ダメだ逃がさない。こっちに…」    姫を引き寄せてその白いうなじに噛みつく。    姫が「あっ」と声を漏らす。 「いい声だ」    そのまま吸血する。 「…お前の…愛しい女の味だ」    そのまま姫を抱きしめる。 「少しの間、こうして抱かれててくれ」 お互いの吐息と心臓の鼓動だけが部屋に響く。 「以前なら毎日こうしていられたのに、まさかお前が病に倒れた姫様の影武者(かげむしゃ)をやることになるとはな。あの婚礼の朝、城から侍が来てお前を急に連れて行こうとした。俺は何も知らなかったから使いの侍をみんなぶっ飛ばしちまった」    思い出してくすくすと笑う姫。 「笑うな、お前だって侍の事を蹴飛ばしただろ。後から姫様の事情を聞いてもお前が姫様の影武者が務まるなんて思いもしなかった。ところがだ、いざ支度を整えてみれば姫様に瓜二つなんだから俺も周りも驚いた。長老の話だと昔、城から嫁いで来た姫がいたらしい。だからそっくりでも不思議はなかったんだ。まあ俺としては嫁に来る日に引き離されたんだから納得できなかった…しかし藩の行く末に関わる事だと言われれば…納得するしかなかった」    急に思い出したように顔をあげて 「そうだ。これを言うつもりで会いに来たんだ。せっかくここの暮らしにもその姿にも慣れてきたころだろうがそろそろ終わりだ。里に戻れる」    姫が顔をあげて、 「あぁ、本物の姫様の病がだいぶ回復してきている。きっと鬼の里で長老が作った秘薬と山の穏やかな気候のおかげだろう。一時は命も危ぶまれたが今じゃすっかり元気になった」    姫が嬉しそうに抱きついてくる。 「今回はきっと入れ替わりについての相談だろう。姫様には許嫁(いいなずけ)がいて婚礼の日付もそろそろ決めねばと話しているのを耳にしたからな。」    一気に顔色が変わる姫。    安心させるように背中を擦って、 「大丈夫だ。いくら影武者っていたって嫁に行くのは本物の姫様だ。間違ってもお前を身代わりになんてさせない。お前は俺の嫁なんだから」    「うん」と返事をする姫。 「それにうちの殿様もそこまで頭は悪くない。伊賀や甲賀より、俺たち鬼の方が格段に強いって事は知っている。そんな俺たちを手放すような愚かな真似はしない。俺たち鬼は一族の結束が強い。いくら恩義ある殿様でも仲間をまして統領の娘を無下に扱ったとなれば黙っちゃいない。戦国乱世のごとく国元は大荒れになって滅びの道を歩くことになる。その方が御上よりよっぽど恐ろしいと思うぞ」    納得するように頷く姫。 「ここへ来る前に見てきた元気な姫様の様子を考えればそんな心配もいらない。きっと春の参勤(さんきん)交代(こうたい)の時にお前と姫様は元に戻るはずだ。それまでの辛抱ってことだなお互いに…」    しばし姫を見つめて 「(ぼそっと)その姿…お人形みたいで可愛いな…」    顔を赤くして下を向く姫。 「こういう綺麗な着物を着ておしとやかに振る舞う姿を見ると…ずっとこうして飾って置きたくなるっていうか…くノ一の姿も凛々しくて好きなんだ。好きなんだが…」    自分で何を言いたいかわからなくなる。 「要するにどっちのお前も好きだってことだ」    顔を覗き込む姫。    照れくさくてなって顔をそむける。 「そろそろ行かないと…ご家老も返事を書き終えたころだろ」    別れのキスをする二人。 「次に会う時は迎えに来る時だ。それまで俺を思って待ってろよ」    元来たように天井に飛び上がる。 「じゃあな、鬼のお姫様」    天井の板がすっと閉じる。     ~終幕~